boogyman's memo

アニメーションと余日のメモ欄

演出メモ/『アイカツフレンズ!』58話、『キラッとプリ☆チャン』60話

5/23放送『アイカツフレンズ!』58話、6/2放送『キラッとプリ☆チャン』60話と短いスパンで絵コンテ・演出/大島克也の回が目を引いたのでメモ。

アニメ@wikiで纏められたクレジットを読むかぎり、サンライズ制作出身の若手だろうか。演出家に転向してからまだ日は浅いようだけれど、放送された話数はどちらも勢いがあり、見た目に楽しいアイディアが目白押しだった。

例えば天翔ひびきがソルベット王国に入国できず、衛兵と言い争いになる場面。

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ひびきの後ろからラブリーフレンズ(秘書)が駆けつけて衛兵と対峙、遅れてピュアパレットの二人がスライドイン、カット終わりに右へカメラを振る。QTB+S.L+PANという演出的・カメラワーク的情報が詰まったカットで、剣呑な雰囲気を和らげるギャグチックなスライド、画面中央から急激に引いて全体を見せた後にふたたび中央に視線を戻す誘導、スライドとは逆方向に意識を付けるPAN、加えてハッタリ(ひびきの右側からすり抜けて出た秘書が次のカットでは左に居たり、メイク道具で戦う構えを取っていたり)の効かせ具合もいい。

フレームインの工夫は『キラッとプリ☆チャン』にも感じられる。これは教室で桃山みらいを見つめていた虹ノ咲だいあから公園へのシーンチェンジ。

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ワイプにPANを合わせ、逆方向からキャラクターが入ってくる場面転換+方向転換の合わせ技。背景のジャングルジムを「脳みそが知恵の輪になっちゃったみたいな顔をして悩むみらい」のように見せて、その知恵の輪を解くヒントをえもが出す、というシーン全体のメタファーにしているところもテクニカルだ。画面の創意がきちんと物語に寄与している。

画面に迎え入れる、という効果が強かったのは、ひびきを拒絶したアリシアをシャルルが問いただすカット。

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ここで重要なのは、歩み寄るシャルルをカットを割らず、受け入れていることだ。もしも割っていたら印象がガラッと変わっていただろうし、否定的な意味合いが強く出てしまい、アリシアの本心、優しさへの印象が薄まっていたかもしれない。

他、画作り・芝居のアイディアで目に留まったのはカメラに近寄ってフレームを狭くしたおしくらまんじゅう、ピュアパレットのはしゃぎすぎた雪遊び、ツインテールオバケなど。

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いずれにせよ、緩急を付けつつもテンションの高さがフィルムから横溢しており、そのチャレンジ精神は目覚ましいものがある。まだ特徴付けるには時期尚早だが、今後の活躍が楽しみな演出家のひとりであることは間違いない。次はどんな積極果敢な演出が繰り出されるのか、要注目。

 

キラッとプリ☆チャン♪ソングコレクション~2ndチャンネル~ DX

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