boogyman's memo

アニメーションと余日のメモ欄

消えたかけら

篠原俊哉監督のブログ「日々のかけら」の愛読者だった。消えてしまってからしばらく経つが、折りに触れてログを探しにいってしまう。

日々の何気ない風景からペンギングッズのこと、気にいった書籍、映像、音楽、美術に至るまで多彩なトピックを地に足の着いた筆致で綴る。気さくな人柄も滲み出ており、非常に信頼の置ける書き手だった。もちろんアニメーションにまつわる話も多く、今でも覚えているのは宮崎駿高畑勲の演出方針の違い、カットの持つ「明確な意図」とは、絵コンテは記号だけで組んでいけばそんなに時間は掛からない(それだけだと面白くならない)、影響を受けた映画のリスト等々。そうそう、『Charlotte』12話のポッキートークも成る程なと首肯した記憶がある。病室の場面で奈緒がポッキーを持っているかいないかでかなり違ってくるという話だった。個人的なベストエントリーは『戦う司書』のノロティ論だ。

斜に構えることなく、大げさにならず、自然体で書き続ける。当たり前のことのようでいてそれがいちばん難しい。見習わなければ。